調査📝

第33次地方制度調査会

諮問事項

社会全体におけるデジタル・トランスフォーメーションの進展及び新型コロナウイルス感染症対応で直面した課題等を踏まえ、ポストコロナの経済社会に的確に対応する観点から、国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の関係その他の必要な地方制度のあり方について、調査審議を求める。

審議項目

  • 何を捉えるべきか? >「社会全体におけるデジタル・トランスフォーメーションの進展及び新型コロナウイルス感染症対応で直面した課題等」 & 「ポストコロナの経済社会に的確に対応する観点」

    • デジタル・トランスフォーメーションの進展が、地域社会や地方行政に与える影響とその課題について、住民からの視点も踏まえ、どのようなものが考えられるか?

    • 新型コロナウイルス感染症対応で直面した課題とその要因について、どのようなものが考えられるか?

    • ポストコロナの経済社会において、人口減少・高齢化等の人口構造の変化やこれに伴う資源制約、感染症等の事態への機動的な対応をはじめ、地域社会や地方行政に生じることが見込まれる変化・課題として、どのようなものが考えられるか?

    • 以上について、個別分野の法令・制度に係る課題を踏まえつつも、地方制度のあり方に関する課題として捉えるべきものとして、どのようなものが考えられるか?

  • どのようなことが考えられるか? > 「国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の関係」

    • 国と地方の役割分担のあり方について、どのように考えるか。国に求められる役割、地方公共団体に求められる役割として、これまでの考え方を改めて整理、再定義した方が良い点、見直すべき点があるか。

    • 国と地方公共団体との間の連携・協力のあり方について、どのように考えるか。相互の連携・協力の実効性を高めていくことが必要だとした場合、その方策について、どのように考えるか。

    • 広域の地方公共団体としての都道府県に求められる役割や、住民に最も身近で基礎的な地方公共団体としての市町村に求められる役割及びその役割分担のあり方について、どのように考えるか。

    • 地方公共団体相互間の連携・協力のあり方について、どのように考えるか。相互の連携・協力の実効性を高めていくことが必要だとした場合、その方策について、どのように考えるか。

    • 国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の連携・協力の実効性を高める観点において。デジタル技術の活用のあり方について、どのように考えるか。

    • 国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の連携・協力の実効性を高める観点において、住民、コミュニティ組織、NPO、企業など地域社会を支える多様な主体に期待される役割や、公共私の連携・協力のあり方について、どのように考えるか。

  • どのようなことが考えられるか? > 「その他の必要な地方制度のあり方」

    • 地方議会の位置付けや議員の職務の明確化、多様な層の住民の議会への参画につながる環境整備など地方議会のあり方について、どのように考えるか。

デジタル・トランスフォーメーションの進展への対応に係る課題

国の課題認識

参照:デジタル社会の実現に向けた重点計画(R4.06.07 閣議決定)

  1. デジタル化による成長戦略

  2. 医療・教育・防災・こども等の準公共分野のデジタル化

  3. デジタル化による地域の活性化

  4. 誰一人取り残されないデジタル社会

  5. デジタル人材の育成・確保

  6. DFFTの推進を始めとする国際戦略

地方の課題認識

参照:第3回専門小員会で地方六団体から示された資料

  1. 標準化と地方の自主性・自律性への配慮

    • 地方公共団体が創意工夫を発揮する余地が比較的小さく、標準化が求められる程度が高い類型の業務については、国による率先した標準化の推進が必要

    • 一方、行政事務の効率化を図るためのデジタル化の進展により、行政事務のあり方に関する裁量の余地がなくなり、地方の自主性が損なわれることを懸念

    • 自治体独自の施策についても継続して実施できる形で、ガバメントクラウド上にシステム構築できるよう配慮する必要

  2. 地方意見の反映

    • 国・都道府県・市町村を通じて利用するシステムの構築に当たっては、地方の意見を十分に踏まえる必要

    • 新たなシステムの構築に当たっては、大都市部の事業者のみならず、地域の事業者も含めて参画できるよう配慮が必要

  3. 人材育成等

    • 地方部を中心に、デジタル技術に精通している人材やノウハウが不足

    • デジタル人材の育成については、専門的知識が必要であり、外部機関への派遣も含めて研修等を継続的に実施していくことが必要

    • DX推進に関わる職員は、単にICTに通じているだけでは足りず、自治体業務の経験と知識が不可欠。課題解決力やプロジェクトマネジメント能力、現状を変える意欲や姿勢を持つ人材が必要であり、育成には中長期的な取組が必要

    • ガバメントクラウドに参入できる事業者が都市部に偏ると、地方から都市部へのデジタル人材の流出・偏在が懸念される

  4. 住民のデジタルリテラシーの向上

    • 高齢者や低所得層などにおいて、いわゆる「デジタル・デバイド」が生じないよう留意が必要
  5. 迅速な情報共有

    • 効果的なシステム構築の必要性に加え、施策実施に当たっては必要な個人情報のスムーズな共有が必要
  6. 行政事務の効率化・住民の利便性向上

    • デジタル技術の活用は、住民の利便性向上とともに、地方公共団体が、固定的・定型的な業務から解放され、人口減少・少子高齢化の本格化や生産年齢人口の減少等に伴う新たな課題への対応に注力できるようになることに意義がある

    • デジタル技術に慣れていない住民への配慮のため、特に導入期においては行政サービスをデジタル・アナログの両面で提供することが不可避であり、必ずしも行政の負担減につながらないことに留意が必要

デジタル化による地域の活性化

構造改革のためのデジタル原則

地方公共団体の情報システムの標準化

地方公共団体の個人情報保護制度の共通ルール化

制度・様式の共通化の要請

デジタル化に係る地方の意見反映の仕組

デジタルによる地域の課題解決

デジタル人材の育成・確保

デジタル・トランスフォーメーションの進展と地方制度のあり方に関する議論の着眼点(案)

DXの進展と地方自治との関係

  • 地方自治の意義やありようは、DXの進展によってどのような影響をうけるか。デジタル技術の性質上、統一化・共通化・効率化が求められる地方行政のデジタル化と、個々の自治体の自主性・自律性が十分発揮されることを目指し、多様性を尊重する地方自治との調和をどのように図るべきか

  • DXの進展に応じて、例えば住民との関係において、地方公共団体に求められる役割は変わりうるか

国・地方関係

  • 地方行政のデジタル化において、例えば、国・地方を通じた共通基盤(制度・システム)の整備などにおいて国が担う役割が増大しているが、国と地方の役割分担の考え方においてどのように整理されるか

  • 地域差なくデジタル化の恩恵を広める・最適化を図る観点から、例えば、これまでは地域の自主性・自立性に委ねられてきた行政サービス提供の手法(How)について、国による統一的な対応、標準化、共通基盤の活用を進めることについてどのように考えるか。あるいは、地方公共団体が共同して対応することは考えられるか

  • デジタル技術の活用により、住民により身近なところで事務を処理するのではなく、国が(あるいは地方が共同して)処理するほうが住民の利便性や行政の効率性の観点から適当と言える事務が生じると考えられるか。他方、オンライン化や自動化になじまず、地方公共団体による現地での処理が適当な事務もあると考えられるか

  • 国による統一的な対応、標準化、共通基盤の活用を進めるに当たっては、地方公共団体の事務処理の実態を把握し、その意見を丁寧にくみ取り反映させることがより重要になるか。それをどのように行うべきか

地方公共団体相互間の関係

  • 地方行政のデジタル化に広域自治体である都道府県が果たす役割は何か。また、DXの進展によって、都道府県が果たすべき役割が変わりうると考えるか

  • DXの進展は、地方公共団体間の広域連携や公共私の連携のあり方にどのような影響をもたらすか

その他

  • 地方行政のデジタル化への対応に当たって、地方公共団体間格差への対応など想定される課題にどう対応すべきか。例えば、不足するデジタル人材の確保・育成においてどのようなことが考えられるか